言葉を尽くして価値を伝える2025年秋。prasthana aw25 last delについて。
prasthana co., ltd. 代表/デザイナーの武井です。
いやー、、(肌)寒い。
誰だ秋が無いから服が売れなくてどーのこーの、、とか言っていたのは。(前回の記事参照。)
寒いは寒いけどまだ流石に冬ということはない、そして当然夏なんてこともない、ましてや春ではあり得ない。
てことは完全なる秋、であって、豊かな四季を誰しもが感じていることであろう。
僕はと言えば、「朝晩ちょっと冷えますね」なんていう状態ではなく、なんなら日中も常に手が冷たい。
10月も末、問答無用で2025年も終盤です。
皆様いかがお過ごしでしょうか。
一応、インスタグラムをはじめ、Xでも僕個人のアカウントを持っていまして、ポツポツとポストしてはみるものの、SNS全般を存分に使いこなせているかと言えば全くそんなレベルには至っておらず、とは言えフレキシブルな情報を出すツールとしてはそのくらいの手段しか持ち合わせていないので、フォロー頂いている皆様は正に、砂漠で針を探すかの如く、或いはアヒルが木登りするかの如く、これはちょっとニュアンス違うか、兎に角多大なご負担を頂いているものと存じます。
そんな奇特な方々はキャッチ頂いているかと思いますが、この間もわりとバタバタ、通常運行と言えばそうですが、忙しなく日々を過ごしております。
9月に行ったss26展示会に纏わるイベント関係も終盤戦、衣服が持ち得る力はもとより、この時点において僕にできることとして、言葉を尽くして価値を伝えることに真摯に向き合い、皆様からの有難い反響を頂いています。
以前書いたことがありますが、作り手って多くを語らない様がクール、みたいな風潮があります。
創作こそが雄弁に語るからして云々、、ということ。
僕もそのように思っていた時期もありました。
というか、過不足ないのであればそれで良いのかもしれないですが、価値の交換って相互コミュニケーションですので、受け手側(お客様)に一方的に投げっぱなしなのも、発信側(作り手)としてそれはそれで無責任な態度だよな、というのが今時点での考えです。
そんなことで、思えば昔から「言葉」とあくまで自分なりにですが丁寧に向き合ってきた自負もあって、自身のアティチュードとして、立居振る舞い含め「言葉を尽くして伝える」そのような姿勢をとても大事にしています。
つい最近も、あるお客様から
「服作りのどのようなところにBAUHAUSの影響を受けているのですか?」
という問いかけを頂きました。
「BAUHAUS」って、このJOURNALでも散々言及してきていますが、1919年-1933年に存在したドイツの芸術学校ですね。
現在「BUAHAUS」という言葉が指すものって、元来の芸術学校のこと、というよりは、多くの場合、一般的には所謂「BAUHAUS(的)デザイン」のこと。
要するにiPhoneとかUSMとか、、 挙げ始めたら枚挙にいとまがないですが、シンプルでモダンで無駄のない、感覚的にイケてるプロダクト全般を指して用いられることがほとんどかと思います。
一方僕自身は、デザイン/哲学/カルチャーなんかを包括した表現として発するというケースが多いです。
で、そのお客様は歴史なんかも一通り網羅してくれていたので、
「ではそれがprasthanaの服作りにどのように作用しているの?」ってことですね。
そもそも「BAUHAUS」が服飾領域のものではないですから、それはそうだな、と思いました。
この題材における相互の理解に溝があった、言葉が足りていなかったということです。
僕の返答としては
「衣服に表出する直接的な何か、ではなく、物作りに臨むアティチュードに影響を受けています。」
というものでした。
このアティチュードとは、端的に表現すると
「常に新しいデザインを創造すること」
そして
「生活と芸術の統合」
です。
こんな極めてシンプルなラリーでその方は理解してくれたようでしたが、今回のコミュニケーションを達成することができたのは、受け手側のリテラシーが高かったことに起因していて、例えばこのお客様が事前知識を持たずしてこの対話がスタートしていたとしたら、両者の間の認識や感覚の溝を埋める手段ないし目線を等しくする材料として、「言葉」が果たす役割はもっと大きなものになっていた筈です。
改めて、
「言葉」と「それが表す概念」
地球上で人類だけが持ち得たものであろうそれらを、大事にしていきたいと思いました。
そしてそのような気付きのひとつひとつも、人との関わり、コミュニケーションがもたらしてくれるもの。
そのような機会をprasthanaを通じて生み出せていることに、これまた改めてしみじみとした感慨を覚えました。
そんな2025年秋。
そんな感じで(どんな感じ?)、今回は表題の通り、prasthana aw25 last delについてです。
加工工程の難しさや、単純に工場の混雑など諸々の事情で予定より少し遅くなってしまいましたが、aw25 漸くフルラインが出揃います。
今回デリバリーの内容は下記の通りです。
heavy sweat penguin parka A_PLAIN

heavy sweat penguin parka B_COATED
heavy sweat penguin pants A_PLAIN

heavy sweat penguin pants B_COATED
chillbuster ecw parka A_LIMONTA FABRIC

chillbuster ecw parka B_EPIC RIPSTOP

店頭、ECともに発売開始は10/31(金)となる予定です。
ECはちなみに、恐らく当日夕方頃には更新できそうかな、という感じです。
型数は少なめですが、aw最終デリバリーとあって、なかなかに重量級の存在感を有したプロダクト群です。
最近の創作では最早お馴染み、になりつつある
「1pcsでも100pcsでも加工工賃が一緒。(大量生産による効率化を図る箇所が無い、全て手作業による加工の意)」
系の加工分も含めたスウェットセットアップ「penguin parka&pants」
あとは今季の真打的品番である中綿アウター「chillbuster ecw parka」
本当にマジかってくらいの時間をかけて、思考を巡らせ、手を動かし、、創り上げた服達です、まぁ当然と言えばそうですけど。
でもね、大分自信ありますよ。
季節もここへ来て足早に進んでいるようです。
今年の冬の輪郭も、朧げながら薄らと感じられるようにもなってきました。
是非このタイミングを逃さず、ご覧頂けると幸いです。
宜しくお願い致します。
