prasthana AW24 start.

prasthana co., ltd. 代表/デザイナーの武井です。

いやー、、暑い。。
毎年のことながら、今年もえげつないですね。
「体温越えの猛暑!!」といった文言にもなんなら慣れてきてしまっている感がありますが、ただの体温越え、ではないですからね。
ちょっと前、7月の末頃なんて最高気温38度の日がけっこう続いたりしていました。
体温38度とか、かなり重めの風邪とかインフルエンザにでも罹患しない限りそうそう発現しません。
言っても仕方がないけど言ってしまう、それが夏ってもので、暑い暑いと呪文のように繰り返す日々ですが、皆様お変わりないでしょうか。

そうこうしていたら、もう2024年7月も終わり、相変わらずの異常なるスピードで日々が過ぎ去っているように感じていますが、振り返るとけっこう色々ありました。
世の中的なトピックだと、都知事選も記憶に新しいですし、7月末には大きな格闘技の大会もありました。
パリではオリンピックをやっています。

「諸行無常」という言葉があります。
「諸行」はこの世の全て。
「無常」は常がない、続かない。
英訳すると「The impermanence of all things.」とか「Everything is changing.」とかになるのでしょうか。
「世のすべてのものは、移り変わり、また生まれては消滅する運命を繰り返し、永遠に変わらないものはない。」という概念。
僕個人としては超要約「今日 (今この時) の当たり前は明日 (少し先の未来) の当たり前ではない (かもしれない) 。」と理解しています。
「諸行」≒「Everything」もしくは「All things」ですから、対象は「全ての事象」、人間関係なんかはもとより、その日の体調とか諸々の状況、晴れているとか雨が降っているとか、人の感情の機微もそうだし、とにかく全てのことは移り変わる、ということですね。
上記の格闘技に関してもオリンピックに関しても、まさにこれが当てはまるようなシーンを数多見かけました。
筋書きのないドラマには約束された結末がないからこそ、人々は熱狂するし、現実の残酷さ、みたいなものを強く意識したりします。
熱狂しただけ喪失感も大きなものになりますが、その相反する概念は、実は極めて緊密な背中合わせの関係であって、人の生というのはこのような営みの中で成り立っていくものなんだろうな、と思います。

ふと自身の歩みを振り返ってみると、prasthanaとしての活動歴も来年で10年になりますので、まぁ当たり前ですけど色んなことがありましたし、現在進行で色んなことが起こっています。
色々な人と出会ったし、色々な局面で様々な思いをしてきました。
人に救われることもありますが、到底納得のいかない不義理をされることもあります。
物凄いスピードで近寄ってくる人は、同じように物凄いスピードで視界からいなくなったりもします。
「諸行無常」って、人生の儚さや虚しさ、みたいな部分にフォーカスされる向きもあるようですが、その実は違っていて、「辛い、苦しいも永遠には続かない」という極めてポジティブな思考に己を導いてくれる概念です。
要は「人生を出来るだけ楽にする為の攻略法」みたいなこと。

と、言いつつ「Everything is changing.」とは理解していながら「変わらないもの」の強さも同様に僕は信じています。
変化していくことを恐れずに、それでいて確固たる「自身の芯の所在」を常に明確にしておくことは、どのような表現/活動形態においても絶対に必要なことで、僕の場合は、prasthanaとしての表現において、10年間に渡って踏み外さずにやってきた自負がありますし、これからも変わらないことです。
そして、事業を継続していくこととは、長く関わり合いを持ち続けて頂いているお取扱店様、お客様方、関係各位、家族友人知人、、、挙げ出せば枚挙にいとまがないですが、本当にこれらの関係性の上に成り立つ営みだなと、つくづく思います。
この仕事って、毎年2回のコレクション製作→展示会→デリバリー、みたいな流れがルーティン化しがちですが、新しいシーズンを迎えられるということは、諸行無常の世において、決して当たり前のことではないわけです。
本当有難いことです。
いつもありがとうございます。
以降も自身の表現を研ぎ澄ませ、実直に且つ大胆に歩んでいきたいものです。

さて本題です。
なんだかちょっと重めの導入でしたが、それは今回のコレクションの充実度故のこととご理解下さい。
来たる8/10(土)、prasthana AW24 立ち上がりとさせて頂きます。
ここ数シーズン、僕個人の状況なんかも多分に影響しているのですが、「デザインするという行為」及び「物作りに臨むスタンス」に、「改革」というと些か大袈裟かな、否言ってしまおう、「改革」が起こりました。
表現行為って如何なるものでも、アウトプットには形態を超えて作り手の状況や心象風景が滲み出るものと思います。
極端なことを言うと、例えば死の間際の製作に鬼気迫るものが宿る、みたいな。
そんなような覚悟や責任、といったことをここにきてより強く意識するようになりました。
prasthanaとして表現するべきものだけを最大純度で突き詰めて制作すること、それがとてもシンプルにクリアに、アウトプットされているシーズンだと思います。
1st del は下記の通りです。

 

structure jacket
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LC2 袴 trousers
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painted workers sleeve less jacket
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painted workers slant jeans
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slit band collar shirt
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6 panel curved visor [LIMONTA]
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structure jacketとLC2 袴 trousersのセットアップに限り、上記のインラインモデルに加え、直営店限定カラーをご用意しております。
こちらの詳細も追って共有させて頂きますね。

ブランドフィロソフィーとして掲げている
「form,function&idea」
ならびにprasthanaのすべての製作の基軸となるキーワード
「和装」「TECH」「ARTISANAL」「BAUHAUS」
これらが揺るぎない美意識として、随所に散りばめられたプロダクト達です。
ECも立ち上がり日の8/10(土)、更新予定ですので、各品番の詳細は該当ページをご確認頂ければと思いますが、可能であればお近くのお取扱店様もしくはprasthana sendagaya store実店舗にて、実物を体感頂けますと嬉しいです。

何はともあれ8/10(土)立ち上がり。
なお、8/9(金)は準備日として、prasthana sendagaya store実店舗は臨時休業とさせて頂きます。

それでは、皆様のご来店を心よりお待ちしております。

宜しくお願い致します。