10 YEARS ON A STONE. p|p PP-001、 iolom MINIMAL WALLET各種入荷について。
prasthana co., ltd. 代表/デザイナーの武井です。
9月頭から2週間ほど、prasthana sendagaya store 実店舗は臨時休業、prasthana ss26展示会を行っておりました。
前回のJOURNALでも書いたかもですが、この間はけっこうですね、なかなかにハードワークしていまして、(いつも以上に、、)怒涛の如く日常業務から途切れることなく展示会weekに突入、といった感じでした。
タイミング的に秋冬の生産も佳境、そして展示会、となると、もう脳内のスイッチを入れ替えっぱなし、みたいな状態になりますから、まぁ大変でした。
更に加えて、ディテールには言及しませんが、この展示会の期間内に同時進行していた別のタスクもありまして、僕の知る限り「確実に一番働き過ぎている」でお馴染みの、某お取引先オーナーさんと話していて、その方をして「それは狂気の沙汰ですね笑」と言わしめた、本当に誰にも何処にも誇れないような時間を過ごしていました。
展示会自体は総じて、とても良かったのではないかと思います。
公式のルックは先んじて、各媒体で公開していますので、是非チェックして頂きたいですが、実はss26は非常に大きな決断、新たな舵取りをして作り上げたコレクションなんです。
「物作りの精度を向上すること」ないし「自身の精神的な部分のブラッシュアップ」なんて当たり前に毎シーズンやっていますから、その辺りは今回も勿論のこと、加えてその限りではない、言語化できるレベルで明確且つ重要な方針転換を幾つかしています。
具体的に
物作りにおいて、生産背景の刷新、要するに取り組む工場を変更しました。
それも今までになく大幅に。
そしてルック作りにおいて、スタイリストを起用せず、僕自身がスタイリングを組みモデルに着せる、というやり方を採用しました。
活動歴も10年を超えてくると、大抵のことは過去に自身が経験してきた方法論に準じた形、なんとなくの推進力でなんとなく上手いことこなせてしまったりするものです。
そして、新たな取り組みや仕組み構築を模索することの精神的なものも含めた億劫さや、単純に時間が足りない、なんていう周辺事情も相まって、正直言うと、ここ数年はそれこそ、「なんとなくの推進力」でこなしてきてしまっていた、という実情、というか局所的ではあるのですが、そんな箇所も実を言うとあったのでした。
そのような、なかなか動かせなかった事情を一気にひっくり返した。
大袈裟に聞こえるかもしれませんが、僕の中では正にそうした、「革新的な変化」そんな表現が当てはまるくらいの、大きな出来事、確実な前進がこの期間にありました。
それも立て続けに数件。
そして更に、僕の感覚を率直に言語化するならば「新たな仲間」を得た、そんな出来事もありました。
なんというか、あんまりスピリチュアル的思考は持っていないタイプだと自認しているのですが、今回に関してはですね、歯車が噛み合う、パズルのピースが組み合うような感覚をビシビシと感じました。
かねてより僕は、この仕事を全うするにあたり、自分自身が偽りなく「同志」と言えるような人達とともに歩んでいきたい、ということを理想として、全ての活動の軸に据えています。
お釈迦様の言うところの「同伴者」或いは「良き友」ですね。
というか、こんな働き方をしている以上、自分の生活や将来の安定とかそういった諸々の要素と引き換えに、「誰と仕事をするか」、その選択の自由くらいは享受させてよ、って感じ笑
それをして、心から誇りを持つことが出来るような創作が叶うと思うし、同志たちとの物作り、時にはそのストーリーテリングなんかも含めて、お客様にも「真に価値のあるもの」をお届けすることができるのだろうと思います。
過去の記事でも書いたことがありますが、僕の場合三年なんて短サイクルではなく、「石の上にも十年」、かなりの時間をかけてここまで辿り着きました。
十年経たタイミングで「視界が開けた」感覚を得て、それがどんどん研ぎ澄まされていき、惰性で付き合っていた人たちと袂を分かち、同伴者/良き友の存在が鮮明になりました。
少しずつ、マジで少しずつ過ぎて嫌になっちゃうこともありましたが、笑
今正に物作りの精度は勿論、prasthanaというブランドを取り巻く環境諸々含め、最も充実した状態であることは間違いないです。
良いもの作りますのでね、引き続きチェックして下さると嬉しいです。
そんな感じで、心身、身の方はなかなか疲労の蓄積がエグいですが、心は非常に健やかな状態。
身なんてちょっと寝れば良いだけですから、心が整っていればですね、大概のことが上手く運んでいきますよ。
ここへ来てガツンと生産が進み、本当はもう少し時間がかかるかな、と思っていたのですが、p|p第一弾、PP-001ローンチ!!のスケジュールが確定しました。
更に、こういった良き流れは良き出会いを連れてきてくれるもので、iolomからも名作ウォレットが激ヤバ素材を含め、入荷しております。
これらは全て、9/19(金)ローンチとなります。
詳細は下記の通りです。
p|p : PP-001 OVER LOCK SIDE ZIP BOOTS_MARYAM HORSE FRONT
iolom : MINIMAL WALLET
まずはp|p
過去記事でも度々触れていますのでご存知の方もいらっしゃることと思いますが、神戸を拠点とするアルチザンシューメイカー「Portaille」と「prasthana」の協業プロジェクトである「p|p」、読みはそのまま「ピーピー」で合ってます。
基本、やるとなったら何事にも、持てる情熱を全て注ぎ込んで取り組むタイプなので、ことp|pに限った話ではないのですが、それにしてもまぁやりましたよ、、って感じで完成した第一弾 PP-001 OVER LOCK SIDE ZIP BOOTS_MARYAM HORSE FRONT。
prasthanaともPortailleとも言わず、一つの独立したブランドとして呼称をp|pとしているのには確たる理由があります。
世に溢れる所謂「コラボレーションプロダクト」って、その主たる目的を「世の注目を集めること」と定めていたり、物作りにおいては取り組む相手の「技術依存」というケースが、僕の視点でいくとかなり多い、否寧ろそのどちらか、がほとんどなのではないかと思っています。
なんというか、これは気質の話なのですが、そのようなメールのやり取りだけで出来上がってしまうような取り組みとか、所謂打ち上げ花火的?、単発ドカン、みたいな感じがすこぶる苦手でして。
苦手って言うか嫌いで。
そういうことではなく、自身の持てるクリエイティブを突き詰めて、真摯に創造の高みを目指す、時間が掛かったり、労力を要したり、勿論コストが嵩むこともあるけど、兎に角創作に誠実に向き合うことこそが、僕にとって大事なことです。
そう、誠実さ。
可視化できないし、数字や言語で表すこともできないけれども、誠実な創造をしていたいといつも思っておりまして、prasthanaは勿論のこと、他者との協業プロジェクトであるこのp|pも、当たり前ですがそのつもりでやっています。
そんなp|p第一弾 PP-001 は、これまで磨き上げてきた、物作りにおける自分なりの知見や美的感覚を端的に表現するピースとして、この上ない形となっていると思う。
9/19(金)ローンチのタイミングで、ECにも情報更新しますので、是非詳細をチェックして下さい。
と言いつつ、有難いことに顧客様のご予約を数多く頂きまして、既にフリー在庫は僅少という状態です。
靴なんで、衣服以上にサイズが合わない、という事態も往々にして発生する筈。
正直、ご予約頂いていない方は手に取って頂くことが難しいと思います。
この辺はちょっと、読みが甘かったです。やや反省。けど熱心に追いかけて下さっている大切な顧客様方にはお届けできるので、まぁ良しとしよう。
サイズ合いそうな方は是非、巡り合わせだと思って頂いて、早めのチェックをお待ちしております。
そして、同じタイミングでリリースとなるiolom MINIMAL WALLET
iolomでは長らく定番として展開を続けている本作、prasthana sendagaya storeでは意外にも初出となります。
プロダクトネーム通り、ミニマル且つコンパクトサイズの財布、ですが、そこはiolom、これでもかと言わんばかりの「手仕事の痕跡」をギンギンに纏っております。(擬音ギンギンで合ってるのか、?)
使用する素材によって大きく表情を変えるわけなのですが、このチョイスも流石、、と言わざるを得ない。
iolomの定番革とも言える、BADALASSI CARLO社のPUEBLO、LA PERLA AZZURA社のALASKA、そして激ヤバ GUIDI社のDEAD STOCK CALF、、!!
どれを取っても世界有数のタンナーが生産する最高素材ですから、どの個体もそれぞれ個性的な表情を有しており、更に豊かな経年変化を楽しむことができるという共通点もあります。
こちらもPP-001同様、9/19(金)ECにもアップ予定です。
図らずも革物featureとなった今回の入荷、皆様いかがでしょうか。
僕は全部欲しいです笑
全部は買えませんから、ゆっくり考えたいと思っておりますのでね、店頭であーでもないと相談しましょう。
重複しますが2型ともローンチは9/19(金)
店頭・ECともに是非ご覧下さい。
宜しくお願い致します。