【GUIDI CALF】6panel curved visor minimal

prasthana co., ltd. 代表/デザイナーの武井です。

12月も早かったです。
気付けば完全に年末、
12/28にて、prasthana sendagaya store 実店舗の年内の営業を終えました。
ご愛顧頂きました皆様、誠にありがとうございました。
アパレルは厳しい状況、と囁かれ始めて随分経ちますが、業種に限った話ではなく、経営者はもとより恐らく世の中の大多数の人々が昨今の不安定な状況に翻弄され、苦しい思いをしてきた事と思います。
もちろん例に漏れず僕もその一人です。
「(コロナ禍の)今、厳しい。辛い。と言うのは夏に暑い。冬に寒い。と文句言うのと一緒!」
と努めてネガティブ思考に陥らないよう日々の仕事に取り組んできましたが、まあ実情はほんときつかったです。
特にリアルだったのは実店舗の状況で、ブランド創設から長い間、国内外の取扱店様への卸の商売をベースにしていた事もあり、実感を持てていなかった部分でしたが、来客のない日々が続き、現実を突きつけられたと同時にかなり精神的に疲弊しました。
それでも折れずに継続して来れたのは、僕自身、生来至極楽観的な性分である事に加え、厳しい渦中にいても出来る限りポジティブな要素を拾っていくように努め、アンテナを張ってきたからだと思います。
なんでもそうですが、大きなうねりとかムーブメントって全てカウンター的に発生する事は歴史が証明しています。
タイミングとしてはやはり宣言明けから、という事になるでしょうか、自店も11月くらいから徐々に来店が増えてきて、有難い事に店としての活気を取り戻しつつあります。
そもそもコロナ禍に開店したprasthana sendagaya store です。
未曾有の好景気を2022年は是非とも体感したいものです、皆様いかがお過ごしでしょうか。

さて、2021年最後のNEWS更新となりますが、2022年始からスタートするスペシャルな企画についてお知らせさせて下さい。
ちょこちょこと弊社インスタグラムでは情報を先出しているので気にしてくださっている方もいらっしゃるかもしれませんが、掲題の通り
【GUIDI CALF】6panel curved visor minimal  という特別なアイテムをご紹介致します。
商品名の通り、イタリアのタンナーであるGUIDI社のカーフ革をメインマテリアルに採用したcapを作成しました。
年始の営業から約1週間の期間(1/3〜1/10)で受注を頂き、生産→2/中旬にお渡し、という流れの企画となります。
上代は¥42000+taxです。
prasthanaのお取り扱い店様の中の2店舗
東京:Amanojak. (2022/1/2〜)
熊本:IDIOME lab (2022/1/3〜)
に加え、prasthana sendagaya storeも含めた計3店舗にて、サンプルをご用意して同時開催となります。

 以下、オフィシャルのリリースになります。

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P-1405003G GUIDI CALF 6panel curved visor minimal

 

イタリアのタンナー、コンチェリアグイディロゼリーニ社(GUIDI)のオイルドカーフ_VITELLO FIOREをメインマテリアルに採用した6枚剥のcap

VITELLO FIORE(ヴィッテロフィオーレ)は生後6ヶ月未満のカーフ革で、キメが細かく滑らかな銀面を持つ仔牛の皮をタンニン鞣し、バケッタ製法でコシのあるオイルがしっかり効いた革に仕上げています。

使用前はマットな質感で黒の色味がやや浅い印象もありますが、使い込む程にツヤが増していき、深みのある黒色に変化していきます。

裏地には甲斐絹の産地として有名な、富士山の麓、山梨県富士吉田市でしか生産されない最高級のキュプラ織物を採用しました。

他の地域では、気象、高度その他の条件が整わずに生産する事が不可能な事から、「奇跡の裏地」と評されるキュプラ生地は、艶かしい鈍い光沢を有し、着用感の良さは言うに及ばず、製品の佇まいに大きく影響を与えるような高級感も兼ね備えています。

バックアジャスター付属にはドイツのバックルメーカー、FIDLOCK社製のマグネットバックルを採用しています。

強い磁力によってバックル同士を近付ける事でしっかりとホールドされ、リリースは片手でスライドするだけという高い利便性、付属としての存在感の大きさから、数多のデザイナーから絶大な信頼を寄せられるFIDLOCKバックル、prasthanaでも継続的に使い続けている思い入れのあるパーツです。

その機能的なスペックから、機能服やギアテックといった界隈で取り沙汰される事が多いFIDLOCKバックルを、GUIDI CALFcapに付属する事で、凝り固まったイメージをいまだ引き摺っている方も多いGUIDIに対して異なる視点、prasthanaのフィロソフィーであるポジティブな違和感/不調和の創出に通じる、「新しい価値」を表現しました。

製品は天然の素材ならではの個体毎の表情の違いや、甚大な破損以外の生前の細かい傷などに加え、縫製時のミシンでの抑えの痕跡といった、一般的な価値観のみで判断するとネガティブに作用するような要素も全て採用しています。

納品前に武井が一点一点手作業にて仕上げの作業を行いますが、その際に諸々のネガティブな要素を可能な限り修正致します。

それでも整然と管理されたスキの無い綺麗な製品、という着地にはなりません。

GUIDIのレザーで製品を作成する意図、天然皮革ならではの傷、この革質だからこそ避けられない縫製時の痕跡など、全てを一つのストーリーとして捉えて頂き、このアイテムに愛着を感じて頂けたら、この企画の意義がより深くなるものと思っています。

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 prasthanaのこれまでの軌跡を辿ってみても、かなり異質な企画、と言えると思います。
しっかりとサンプルをご覧頂きたいのでECには掲載せず、受注は基本店頭のみで承る予定です。
遠方の方でご検討頂ける際は、メールでもお電話でも、しっかりと対応させて頂きますのでお問い合わせ下さい。
上記のリリースからもある程度伝わるかと思いますが、僕自身この企画にかける熱量はかなり高いです。
企画の着想が「世の中に無かったから」、という至極シンプルなもので、正直、僕自身が一番楽しんでいるような感じです。
最高峰のマテリアルで作成した大量生産品とは一線を画す特別なアイテム。
この高揚感を共有して頂けたら嬉しいです。

宜しくお願い致します。