四季を尊ぶ余白。GUIDI AW24 LAUNCHについて。

prasthana co., ltd. 代表/デザイナーの武井です。

秋来ましたね、今年もちゃんと。
と、言いつつ例年比較で2024年10月-11月は気温が高い傾向とのことで、確かにその通り、まだまだ日によっては気温のアップダウンもあったりしますが、なんにせよ確実にAW24到来、で間違いはないでしょう。

こういった季節の移り変わりの時期って、道行く人々の服装も本当に十人十色。
半袖シャツの人とファーのベストの人が同じ電車の隣の座席に座っている、みたいな風景はあるあるです。
ファーのベストはちょい早い感もあるにはありますが、多分アパレルの人なんだろうな、良いですよね、って思います。
かく言う僕も、既に中綿ベストを如何に涼しく着るか、みたいなことをやっていますが、昔から「明日気温が少し下がるらしい。アウターチャンス!!」とかよく言っていました。というか今も言っています。
「半袖シャツで寒い思いをする」か、「アウター着たけどやっぱりまだ暑い」か、遭遇し得るトラブルとしては恐らく後者の方が多いんだろうと思いますが、それでも「アウターチャンス」とあらばアウター着たい、もしくは重ね着したい、のが人情というものです。
世界には「秋冬」が無いような国も、「春夏」が無いような国もあるわけですから、四季がある日本にいる自分は極めてラッキーだなと改めて思います。
衣服に纏わる楽しみがめっちゃ増えますからね。

そんな今日は11月6日(水)、prasthana sendagaya storeは店休日ですが、粛々とこのJOURNALを書いております。
皆様いかがお過ごしでしょうか。

いきなりですが最近のマイブームが和菓子でして。
これがですね、当たり前ですがなかなかに奥の深い世界。
どこか控えめで奥ゆかしさを感じるそれは、言ってしまうとギンギンにバターが効いた洋菓子(ケーキとかの類)みたいな、一口食べて「!!」みたいな衝撃って、まぁ数少ない、というか個人の見解ですが、ファーストインパクトのそのようなガツンとした感覚って、こと和菓子に関してはそうそう無いこと、と思っています。
じゃあどれを食べても一緒か、というと無論そんなことはなく、一つ奥まったところに違いがある、というのかな、けっこうしっかりと向き合わないと初手ではその真価に気付けないことが多いです。

例えばきなこ。
単純にその質自体も千差万別ではありますが、それとは別のベクトルで、ちょっと塩を含ませることで、それ自体のみならずその他の素材の味が抜群に際立ったりする。
和菓子の和って「和」ですから、和風の「和」ではあるんだけど、「和をもって尊しとなす」の「和」でもあるなと。
要するにバター!とかチョコレート!みたいなある種の個人プレーではなく、「和」、その創作がトータルでどのように機能するか、そんなことを考えられているのだろうなと感じられるんですね。(洋菓子派の方disではありません。すみません。)
あくまで現段階での僕のレベルでの話ですが、言わば舌を試されていると捉えて向き合っています。(大袈裟)

で、そんな奥深い和菓子の世界に、多少なりタッチポイントが増えている昨今、気付いたことがありました。
それはですね、季節の変わり目、シーズンを跨ぐとラインナップが変わるという事実。

これ、ご存知の方からしたら「何を当たり前のことを今更」と言われてしまうかもしれませんが、何も考えずに気が向いたらたまにみたらし団子買ってみる、程度の和菓子との付き合いだった僕的には、わりと大きめの気付きでした。
それは、洋菓子で言うところの「秋は栗が旬だからモンブランを売り出しましょう」みたいなことではなく、勿論旬という概念も影響してのこととは思いますが、始まりと終わりのタイミングがかなり厳密に設定されているんです。

初夏頃登場する「若鮎」という品番があります。
これは種種少しの違いはあれど、基本概要としては「牛皮をカステラみたいな皮で包んだ鮎の形を模したお菓子」。
これがなんだかけっこう好きでして、何度か購買をしていたのですが、ふとある時店頭から無くなる。
今日は品切れかなと思いきや、次の機会にも無い。
で、店員さんに尋ねてみると、若鮎は初夏時期のみの展開である、とのこと。
夏本番以降は姿を消すわけです。

「なるほど、これは趣がある」と思いました。
この実は、前述のように「旬の素材を用いているからこの時期にこの品番を売り出す」ではなく、「若鮎は初夏時期でしょ」「お彼岸の頃にはゴマおはぎでしょ」といった、極めて日本人的な細やかな感性故なわけです。
季節の移ろいの感じ方の一つに「食」が強く作用している。
これ、乙ですよね。
素材の旬という話でいくと、牛皮にもゴマにも旬なんてないですからね。

四季を尊ぶ精神をはじめ、細やかな感性を持って生きていたいものだとしみじみ思います。
数多ある選択肢の中からチョイスする和菓子も、prasthanaの衣服も、ただ生きる、所謂「衣食住」という概念だけにフォーカスすると、極論必要のないものです。
まだそんなに寒くないのにアウター着る、なんていう行為も。
だけどそれらを楽しむ「余白」こそが人生を豊かにするファクターであると信じてこの事業を営んでいます。
気温が下がってきて、来たるAWに思いを馳せると、それはそれは楽しいですからね。
それこそが答えだよな、と。

はい、そんな感じで今日の本題です。
GUIDI AW24入荷しました。
いやー、今期はですね、待った待った。笑
事前の(オーダー時期の)オフィシャルのインフォメーション通りに行くと、9月末頃デリバリー、みたいなことだったのですが、いやはや全然連絡来ない。笑
日本のみならず、全世界的に今期は遅延傾向が顕著でした。
この辺はまぁ致し方ないですね。
オーダー内容によって上がりのタイミングが微妙に異なるようで、僕に連絡が来たのが10月末。
で、それから出荷の準備をするから云々、ということで、こちらとして打てる手段としては、できる限り迅速な支払い&入金明細の共有、くらいのもので、あとはイレギュラーなトラブルが発生しないことを祈るばかり。
で、遂に着荷、というところに漕ぎ着けたわけなので、なんだかいつも以上に「待望の入荷、!」感が強いGUIDI AW24。

と、言いつつ、ブーツ1型のみ更に生産が遅れるとのことで、後納分が少しだけあります。
ですがこの1型はけっこうなマニアック品番なので、取り敢えず今回入荷のラインナップで多くの方には楽しんで頂けるものと思います。

下記ご確認下さい。

NB06V

 

PL1V

 

BV07

 

HB03

 

CRD00

 

FT1

 

VS09(後納品番)

 

各詳細は11月8日(金)にECを更新しますので、そちらをご覧頂ければと思います。

GUIDIとの取り組みはprasthana sendagaya storeオープンからになるので、かれこれ4年のお付き合いになりますが、毎度入荷の度にしっかりとめっちゃテンション上がります。
最初の頃は本当に全く見向きもされない状態でした。
その当時のprasthanaとの親和性の低さが大きな要因ではありますが、お客様方にはまぁ一様に認知が無かった。
それが今や、販売実績もお問い合わせ件数も、シーズンを経る毎に増加の一途を辿っている。
GUIDI自体の盛り上がりも勿論ありますが、これは非常に喜ばしいことです。

そんなGUIDI AW24。
店頭、ECともに販売開始は11月8日(金)です。
そしてすみません、11月10日(日)-12日(火)は出張の為、実店舗は臨時休業となります。
ご予定つく方は週末8日、9日是非お越し下さい。

現在、店内AW最強の見応えとなっておりますのでね。

宜しくお願い致します。