いい物は高いという価値観。GUIDI価格改定とご予約対応について。
prasthana co., ltd. 代表/デザイナーの武井です。
2026年がはじまって既に1ヶ月が過ぎ去りました。
JOURNALは昨年末にひと記事書いて以来の更新となります。
店頭でお会いした方々とは勿論、X個人アカウントなんかでもあけまして的な内容をポストしたりしていましたが、ここでは新年のご挨拶をする間もなく、気付けば2026年も2月に突入しました。
どうやらこの尋常ならざるスピード感は今年も継続するようです。
皆様いかがお過ごしでしょうか。
年末から年始にかけて開催していたp|p第三弾リリース
PP-003 IMPERMANENCE RIDER 受注イベントにお越し頂いた方々、遅ればせながら誠にありがとうございました。
作品の濃度と完成度に関しては絶対の自信を持っていたものの、価格が価格なだけにどんなリアクションが巻き起こるのか、正直なところ未知数だったのですが、蓋を開けてみるとそんな様々は杞憂に終わりました。
兎に角実物が持つ説得力は改めて凄まじいものがあったと我ながら思います。
この「説得力」とは、素材由来の無二性であったり、流れ作業では到達し得ない職人仕事による創作の高み、そして一定のオーセンティシティを堅持しながらideaをふんだんに内包した意匠性、、、などといった諸要素が結実したもの。
普段からprasthanaを見てくれている方々の中でも、特にご自身の揺るぎない感覚をお持ちの方に刺さるケースが圧倒的に多かったです。
高価格帯商材であるということは、単純にそれだけ比較検討の余地があるということですから、そんな中で手に取って頂けたことは本当に嬉しいことでした。
数量ベースで見ても過去二作に並ぶ成果に至りました。
これはマジで凄いことで、心血注いで作り上げた創造に対して、ポジティブな反応を返して下さるお客様方の存在に支えられているなと、改めて実感した次第です。
しっかりと生産に入っていますので、オーダー頂いた皆様、是非楽しみにお待ち下さい。
そんなこんなで2月ですよ。
今回は表題の通り、GUIDIの価格改定について書きます。
prasthana sendagaya storeは2020年末にオープン、GUIDIとはそのタイミングからお取り組みをさせて頂いていますが、以来価格改定は今回で2回目となります。
遡ってみると前回は2023年の夏頃でした。
そのタイミングでも記事を書いていて、内容的には言ってしまえば同じです。
日本に代理店が存在しないインポートブランドって基本的に「日本国内における定価」という概念はなく、製品のリテールプライス、送料、関税、その他の諸経費なんかを勘案して仕入れ各社が販売価格を決定する、というのがベーシックな考え方。
ブランドを問わず、そのような座組みのインポート製品の販売に際して微妙な価格差があったりする状況は、こんな事情に起因していて、ブランド側の管理が杜撰だったり、リテーラー側のブランドに対する愛が欠如していたりすると、シーズンオフには安値で叩き売られる、といった目も当てられないような事態も起こり得る。
GUIDIも現在、日本における代理店は存在しておらず、我々はブランドと直接の取引をしているのですが、「日本国内における最低上代」が定められています。
この「最低上代」とは読んで字の如く、この価格以下の値付けは出来ません、という意味で、このラインを各取扱店が遵守することで、ブランドないし物の価値が保たれているわけです。
ルールとしてはあくまで「最低上代」なので、販売価格をそれ以上に設定することは認められています。
発注数量やその企業の規模感なんかで、かかる経費(送料、関税、人件費その他諸々)にも差が出ますから、同一価格で販売したとしても、A社とB社では残る利益が異なる場合がある、というかほぼほぼ異なる。
「最低上代」以上の価格設定は各社の判断に委ねられている、というのは要するにそれぞれの状況から適切な設定(取りたい利益)を各々が導き出してOK、ということですね。
言うまでもないですが、セールなどの値引き販売は明確に禁止されています。
で、今回の価格改定です。
インポートの販売価格の算出方法って、基本的に
「仕入れ価格×マークアップ×為替+諸経費=販売価格」
となります。
見直しがなされるのは式内の「為替」です。
前回2023年の価格改定時も同様で、その時は1€=¥155という設定に改定となり、現時点までその計算に則ってやってきました。
そして今回、1€=¥175を適用する、ということになります。
ん?と思った方、正解です。
そう、この記事を書いている2/6時点で、1€=¥185.10です。
GUIDIが新たに定めた設定以上に、既に現実の¥が弱いって状況なのです。
忘れもしない、2020年1月にprasthanaが初のパリ出展をした時は、1€=¥115でした。
これ、改めて振り返ると驚愕を禁じ得ないですよね、実に¥70。。!!
この6年の間、円安傾向は止まることを知らず、そして当面状況は変わらないであろうと、今回の判断に至ったようです。
計算式で「+諸経費」としましたが、この部分はざっと見た感じ、価格に含んでいるケースはほぼなさそう。
ということは、日本国内におけるGUIDI製品の販売価格は、ほとんどの場合
「リテールプライス×マークアップ×為替=販売価格」
となっていて、これは定められた「最低上代」とイコールの数字です。
例えばPL1Vは大体どの販売店でも現在¥260700(税込)という価格が付いていますが、これが成立している状況とは、正に各リテーラーの心意気によるものと言って差し支えないのではないかと思います。
ブランド価値を毀損しない努力はもとより、輸入に不利に働く円安の補填や、前述したような諸々の経費を飲み込んで成されている。
ここまでの内容を読み解いて頂くと伝わるかと思います。
GUIDI、ただでさえ高価ではあるので
「もしかするとめっちゃ利益が乗っかっているんじゃ、、」
とか思われる可能性もあるかもですが、そんなことは全くもってないんです。
暗黙の了解の如く最低上代で販売価格を設定している日本国内のリテーラーからすると、言ってしまうとブランド側からの改定のお達しというのは、それをして負担していた分の利益を堂々と確保できるようになるわけなので、考えようによっては助かる、とも言える。
お客様の共感を得ることは難しいかもしれませんが、そのような側面もあります。
GUIDIは勿論日本のみならず、世界的に市場を獲得しているブランドですから、その価値を判断する際、世界規模に視野を広げることが当然のことながら必要で、その視座に立つと2026年の現段階で、¥155という設定では通らない。
国際的な価値と日本国内における価値、その両者に埋められない溝があいてしまっていて、それを是正する為の今回の価格改定、ということです。
概要は上述の通りです。
価格改定、約束の期日は3月1日、これ以降は品番によって差異はありますが、概ね10%-15%販売価格が上がります。
GUIDI ss26デリバリーは3月末と知らされていますが、経験上恐らく4月か、もしくは5月になるかもしれません笑
ということは、いずれにせよ次回の入荷分、実際に販売をスタートするタイミングには、価格は改定後のそれ、となるわけです。
そんな局面を迎えているss26、諸々勘案して、先んじて自店セレクト分のご予約を承ろうかと思います。
2月末日までにご予約頂ければ、現行価格にてご案内致します。
取り急ぎss26、prasthana sendagaya store のセレクトラインナップは下記の通りです。
PL1V
現行価格¥260700_ → 価格改定後¥294800_
792V_N
現行価格¥173800_ → 価格改定後¥196900_
992
現行価格¥145200_ → 価格改定後¥163900_
796
現行価格¥202400_ → 価格改定後¥228800_
BLT0
現行価格¥23100_ → 価格改定後¥26400_
HB03
現行価格¥30800_ → 価格改定後¥35200_
Q100
現行価格¥73700_ → 価格改定後¥82500_

【ss26予約商品】という形で、既に各商品ページを作成済みです。
詳細重複しますが、2月28日までのご予約に関しては現行の価格でのご案内を致します。
ご予約分はデリバリー次第最速で発送致しますが、お手元に届くまで少々のタイムラグが発生します。
これらの諸要素をご理解頂いた上でご利用頂きますようお願い致します。
一応、勿論この度の価格改定は現在庫も対象ですので、お悩みのものがある方はこの機会にご検討頂くのも良いかと思います。
ご不明点などありましたら、メールなりお電話なり、ご都合の良い手段でお問い合わせ下さい。
まとめに入ります。
僕自身このような価格改定はあって然るべきだと考えています。
実際に物作りをしている立場からしても勿論、普段の生活においても、あらゆる物価の上昇を実感していない人って恐らくいないですよね。
企業努力を価格に反映させることは勿論必要で、寧ろ世の殆どの商品ってそのような切磋琢磨を経て販売されていると思います。
ですが、かかるコストに蓋をして商品の価格を無理くり少しでも安くする
このようなスタンスは絶対的に正しくないと僕は思います。
適正な価値というものが揺るぎなくそこにある筈なのに、それを逸脱すること、例えば値引き販売ひとつにしても、必ず何処かに歪みを生みながら為される行為です。
もっと安く、もっと便利に、それだけを追ってしまうと、長い時間を経て醸成されてきた我々が愛する服飾文化というものが失われてしまう。
今回は題材がGUIDIでしたが、あらゆることに言えると思います。
なのでですね、GUIDIの一ファンとして声を大にして言いたいのですが、移行期間を経た3月1日以降、旧価格で販売されているようなショップや、ましてやセールとかしれっとやっているような輩からの購買は絶対に避けて下さい。
その行為がブランドの価値を毀損し得ることに気付いて下さい。
この期間に購買頂くことは勿論有難いことです。
そもそも販売をする為に仕入れていますから、そこに経済が生まれないと、この営み自体成り立つ筈もない。
ですが、この記事を書いているのは販売促進の為ではありません。
いや、正直言ったらそれは売れたら嬉しいですよ。
だけど真意はそこではない、なんというか、細々とした啓蒙活動みたいなものです。
ブランドの価値を毀損せずにお客様に届けること、それがリテーラーに課された責務です。
そして、僕も含めた一消費者も、せっかくこんな洋服好きの極北(?)みたいなところにある創造に辿り着いたのであれば、志向ごともっと踏み込んでみるのも良いと思う。
自分が心から好きだと思えるものと、同時代に生きているというご縁を最大限享受するようなスタンス、そんなアンテナの感度を持つことも素敵なことではないかと思います。
正しい消費行動こそが、自分が愛するブランドへの最大の推し活となり得ます。
最後に偉人の名言
「いい物には人の手も時間も努力も必要だからどうしても高くなる。いい物は高いという価値観も残ってほしいのです。」
宜しくお願い致します。
