加速する消費の速度へのささやかな反定立 #3

prasthana co., ltd. 代表/デザイナーの武井です。

新年あけましておめでとうございます。
旧年中は多岐に渡るご厚情を賜り誠にありがとうございました。
超絶不定期更新の当NEWSらしい更新頻度の低さを発揮していたら2023年になっていました。
prasthana sendagaya storeもオープンから2年が経過し、大変有り難い事に少しずつですが確実に、歩みを進める事ができています。
本年も皆様に楽しんで頂けるようなブランド作り/ショップ作りに邁進して参りますので引き続き宜しくお願い致します。

新年のスタートといえば、
2022年1月の初売りより極めて限定的な発信にて展開した、イタリアのタンナーGUIDI社のオイルドカーフを使用した6panel curved visor minimal 通称 GUIDI CAPの受注イベント。
一定期間受注会の機会を設け、お客様からのオーダーを頂き生産、という内容の取り組みでしたが、プロダクト強度を極限まで高めた当品番は、事前の予想を大きく上回る反響を頂くに至り、今尚多くのお問い合わせを頂くほどインパクトの大きい企画となりました。
そのストーリーは2022年6月、LC1 leather blouson の受注イベントに繋がっていきました。
この辺の諸々は以前の記事でも綴っているので、詳しくは遡ってご一読頂きたいのですが、全ての原動力は
加速する消費の速度へのささやかな反定立、これに尽きます。


僕が洋服を夢中になって買い始めた2000年代初頭は、情報といえば雑誌や友人知人からの口コミ(web上のではないです、フィジカルの話です)とか噂話し位しか無く、週末1時間とか2時間とか行列に並んでやっと入店⇨店内スカスカで何も買う物がない、みたいな事がマジで日々当たり前のように繰り広げられていて、東京の直営店では買えないけど近隣の地方都市、例えば埼玉とか千葉の取扱店にはかろうじて在庫がある!!とかそんな術を身につけたりしながら、それでも洋服が欲しくてみんな一生懸命でした。
今考えると本当に非合理的で、自分含めそこにいた人達というのはある種の熱病にかかっていたような、そんな感じだったのだと思います。
何にせよムーブメントとは無軌道な情熱めいた物が牽引する動きであって、洋服に限らず過去様々なカルチャーはその黎明期にそういった熱によって形成され、時間をかけて醸成されてきたのだと思います。
それに比べて、今は本当に便利になりました。
いつからか、事前に様々な情報を入手し、自己で精査する事が当たり前になり、熱心な人はなんなら店員より詳しかったりするくらい。
そのような新しいメカニズムは消費者のリテラシーを急進的に高めましたが、その反面、新しい何かに触れた時の高揚感は相対的に減退してしまったと感じる場面が多々あります。
加速する消費の速度へのささやかな反定立とは、予定調和ではない鮮明な体験の提案を意味しています。
ささやかな、としているのは、基本的に現在手にした便利さや情報取得が容易になったテクノロジーの進化を否定するわけではなく、その一切をまるっと享受した上でちょっと言わせて、みたいなニュアンスを僕なりに表現しています。
若い世代にレコードとかカセットテープが流行っているようですが、アナログ回帰という極端な思考ではなく、デジタルとアナログ両方良くない?と僕は思っています。

紡いできたストーリーの新たな一幕として、2023年営業開始より期間限定で、
スペシャルなプロダクトをご用意致しました。
全2品番どちらも至高のプロダクト。
提案の方法に少しの違いはありますが、いずれもお届けは3月下旬頃を想定しています。

①COMPOSITION DEERSKIN JACKET
※prasthana sendagaya store店頭のみ (受注期間:1月6日_10日)

②prasthana×iolom_GUIDI COW DOUBLE SHOULDER SMARTPHONE STRAP
※店頭及びonline (受注期間:1月6日_15日)

 

2023年始は1月6日(金)13:00から営業スタート致します。
なお、選び抜いた超上質素材を使用している為、2品番とも生産数量に上限があり、規定数量に達し次第、期間内でも受注を締め切らせて頂きます。
その場合は先着順とさせて頂きますので予めご了承下さい。
ディテールに関しましては、
ご来店頂ける方は是非店頭で、遠方の方はメールもしくはDMにてお問い合わせ下さい。
宜しくお願い致します。